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オーナー系企業グループの内部取引も課税繰延べの対象に
税理士も無関心ではいられない「グループ法人単体課税制度」

 政府は平成22年度税制改正において、連結納税制度を選択していない企業グループに対しても連結納税制度と同じ一定資産の譲渡損益を繰り延べることとする「グループ法人単体課税制度」の導入を検討しているが、このグループ法人単体課税制度の適用範囲は連結納税制度よりも広くなり、内国法人間に完全支配関係がある場合だけでなく、個人や外国法人を資本関係の頂点とする企業グループも含まれる方向であることが本誌の取材で判明した。

課税繰延対象は内国法人間の取引のみ
 グループ法人単体課税制度とは、連結納税を採用していない企業グループにおいても、連結納税制度同様、企業グループ内において固定資産・土地・有s価証券・金銭債権・繰延資産(売買目的有価証券、簿価1,000万円未満の資産、棚卸資産を除く)の譲渡を行った場合、譲渡損益を繰り延べることとするもの。
 このグループ法人単体課税制度の適用範囲に関しては、7月30日に政府が公表した資料「資本に関係する取引等に係る税制についての勉強会 論点とりまとめ」においても、「グループの範囲については、上記のとおり、基本的には資本関係で画することとなるため、外国法人や個人も含まれうるが、各個別制度においては、その制度趣旨・内容に応じて対象者の範囲等を検討することとなる(例えば、連結納税制度においては、外国法人や個人は対象外)」との記述にとどまっている。
 こうしたなか、グループ法人単体課税制度自体、連結納税制度の内部取引の考え方を導入したものであることから、グループ法人単体課税制度の適用範囲は、連結納税制度同様、資本関係の頂点が「個人」や「外国法人」である企業グループには及ばないのではないかとの観測もある。しかし、本誌取材により、「個人」や「外国法人」を頂点とする企業グループも適用対象となる方向であることが判明している。
 ただし、内部取引に係る譲渡損益の繰延べ対象からは、個人・法人間、外国法人・内国法人間等の取引は除外され、あくまで内国法人間の取引のみが譲渡損益の繰延対象となろう。
 グループの頂点が「個人」や「外国法人」である企業グループもグループ法人単体課税制度の適用対象となれば、内国法人のみによって構成される企業グループだけを対象とする場合に比べ、適用対象数もかなり増えることが予想される。個人株主によって支配されるオーナー系の中小企業も適用対象になるものと考えられることから、このような顧問先を多く抱える税理士にとっても、グループ法人単体課税制度は要チェックといえそうだ。

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登録日
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(以上、最新順)

週刊「T&A master」326号(2009.10.19「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2009.12.21 ビジネスメールUP! 1348号より )

 

 
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