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最高裁がペット供養は収益事業に該当するとの初めての判断を示す
料金表等から請負業等に該当

 最高裁判所第二小法廷(津野修裁判長)は9月12日、宗教法人が営むペット葬祭業が収益事業に該当するか否かで争われた事案に対して、ペット葬祭業は請負業等に該当し、法人税法上の収益事業に当たるとの初めての判断を示した。1審の名古屋地裁、2審の名古屋高裁同様、宗教法人の請求を棄却した。本件ペット葬祭業は、その目的、内容、料金の定め方、周知方法等の諸点において、宗教法人以外の法人が行う事業と基本的に異なるものではないと指摘している。なお、ペットの供養や葬祭を行う事業者は、全国で6,000ないし8,000(平成16年現在)に及ぶとされ、仏教寺院だけでなく、倉庫業、運送業、不動産会社、石材店、動物病院等によるものもみられる。

民間の事業と競合するかなど
 本件は、上告人である宗教法人が、昭和58年から行っているペット葬祭業に対し、税務署が平成8年4月1日から平成13年3月31日までの5事業年度に係る法人税の決定処分および無申告加算税賦課決定処分を行ったため、その取消しを求めた事案である。
 津野裁判長は、宗教法人が行うペット葬祭業が請負業等に該当するか否かについては、@事業に伴う財貨の移転が役務等の対価として行われる性質のものであるか、A役務等の対価ではなく喜捨等の性格を有するものか、Bペット葬祭業が宗教法人以外の法人の一般的に行う事業と競争するものか否か等の観点を踏まえたうえで、当該事業の目的、内容、態様等の諸事情を社会通念に照らして総合的に検討して判断するのが相当であるとした。

喜捨等の性格を有するものではない
 本件ペット葬祭業については、「上告人の提供する役務等に対して料金表等により一定の金額が定められ、依頼者がその金額を支払っているものとみられる。」とした。役務等の対価の支払いとして行われる性質のものとみるのが相当であり、いわゆる喜捨等の性格を有するものということはできないとしている。
 また、「本件ペット葬祭業は、その目的、内容、料金の定め方、周知方法等の諸点において、宗教法人以外の法人が一般的に行う同種の事業と基本的に異なるものではなく、これらの事業と競合するものといわざるを得ない。」と指摘した。
 そのうえで、宗教法人である上告人が、依頼者の要望に応じてペットの供養をするために、宗教上の儀式の形式により葬祭を執り行っていることを考慮しても、本件ペット葬祭業は、請負業等(法人税法施行令5条1項1号、9号、10号)に該当し、法人税法2条13号の収益事業に該当するとの判断を示している。

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  キーワード 「宗教法人」⇒53

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登録日
資料 「租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて」(法令解釈通達)の一部改正のあらまし(情報) 2008年 11月 03日
資料 「租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて」(法令解釈通達)の一部改正のあらまし(情報) 2008年 10月 27日
資料 「贈与税の非課税財産(公益を目的とする事業の用に供する財産に関する部分)及び公益法人に対して財産の贈与等があった場合の取扱いについて」(法令解釈通達)の一部改正のあらまし(情報) 2008年 10月 13日
解説記事 プロからの税務相談(法令等の根拠に基づく即決判断)第265回

2008年 09月 29日

資料 税制調査会第23回企画会合(11月13日開催)議事録 2007年 12月 12日
資料 税制調査会第17回企画会合(10月12日開催)議事録

2007年 11月 02日

(以上、最新順)

週刊「T&A master」275号(2008.9.22「今週のニュース」より転載)

(分類:税務 2008.11.7 ビジネスメールUP! 1192号より )

 

 
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