全国株懇連合会、株券電子化対応の改正定款モデル等を公表
株式取扱規程モデルは現行モデルを廃止して新モデルを制定
いわゆる決済合理化法(平成16年法律第88号)の施行により開始される株券電子化に向けた各界の準備については本誌271号11頁等でも紹介したところであるが、全国株懇連合会は8月25日付で(1)定款モデルの改正と新たな(2)株式取扱規程モデルの制定につき公表した。
定款モデルの改正
株券電子化の実務界における実施目標日は来年1月5日。上場会社は株券電子化に一斉移行するが、今般の改正・制定は、これに伴い、8月22日の理事会決定を経て公表されたもので、(1)については@株券を発行する旨の規定が決済合理化法附則6条1項により施行日をもって廃止されたものとみなされること、A「実質株主」「実質株主名簿」などの現行保管振替制度に基づく概念がなくなることなどに対応している。
具体的には、「株券の発行」(旧7条)に係る規定を削除し、「単元株式数および単元未満株券の不発行」(旧8条)については単元未満株券に係る規定を削除して「単元株式数」(新7条)とし、また「単元未満株式についての権利」(旧9条)中の「当会社の株主<u>(実質株主を含む。以下同じ。)</u>は、……」の下線部分を削除して新8条とするなど。ただし、決済合理化法附則により、施行後の該当箇所についてはいわゆる空振り規定となるため、全株懇では「同法施行日前にあらかじめ定款変更を要するものではないと考え」るとし、改正モデルに対応する定款変更は施行後最初に開催される株主総会で決議すればよいとしている。
新・株式取扱規程モデルの制定
上記(2)については、現行モデルについて抜本的な見直しを行った結果、これを廃止し、新たな株式取扱規程モデルとして制定された。公表に伴っては、「本モデルに対応した……改正は、株券電子化への移行日を効力発生日とし、本年中に行う必要があると考え」るとして、会員各社の注意を促している。新モデルは「第1章 総則」「第2章 株主名簿への記録等」「第3章 株主確認」「第4章 株主権行使の手続き」「第5章 特例口座の特例」「第6章 手数料」の全23か条からなる。
株式取扱規程モデルは、定款モデルの新11条「株式取扱規程」(規定に変更なし)の委任を受けた形で制定されるものであるが(新1条)、この1条においてまず株主権行使の手続をも定めるものであることが明確化され、また、株式に関する取扱いについてはこの規程のほか、証券保管振替機構および株主が振替口座を開設する証券会社等の口座管理機関が定めるところによることを規定。株主名簿記載事項の変更、株主確認、単元未満株式買取請求等に係る規定も新制度に基づき示されている。
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(週刊「T&A master」273号(2008.9.8「今週のニュース」より転載)
(分類:会社法 2008.10.24 ビジネスメールUP!
1187号より
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