お医者さんは大変!
「今年は医療法の改正も勉強しなければならないんだよ。」金吉
石部金吉税理士は所得税の確定申告で忙しそうな様子です。例年この時期に悩まされるのがお医者さんの申告です。
「お父さん、確定申告の調子はどうなの? 私に手伝えることがあったら、早めにいってね。」石部みどりさんは、お父さんの仕事を手伝う気が満々の様子です。
「まあ、順調な滑り出しだと思うけど、3月になってお医者さんの申告が済まないと気がぬけないんだよ。」石部金吉税理士は、医師の確定申告が気になっています。
娘「どうしてこの時期になると、お父さんはいつもお医者さんが気になるのかしら?」
父「法人全盛の時代だからね。所得税の申告でも手数がかかるのは、事業所得の金額の集計なんだよ。事業は概ね法人化されて、決算月もばらけているけど、個人のお医者さんはどうしてもこの時期に集計しなければならないからね。所得の金額も比較的大きいし。」
娘「例年のことなんだから、早めにお医者さんの決算を準備しておけばいいじゃないの?」
父「それがそう簡単にはいかないのさ。12月分の診療報酬はだいたいは2月21日に入金されるけど、支払通知書(支払調書)が医療機関に送付されるのは3月になっている県もあるんだよ。税理士からすれば、過誤調整をした後の通知書と一致した金額で申告したいのさ。」
娘「お医者さんの場合には、請求どおりに入金があるのではなくて過誤調整というものがあるし、源泉所得税の額も大きなものになるから大変なのね。」
父「それに今年はいろいろと情報を仕入れていかなければならないんだよ。」
娘「今年は特別なの?」
父「医療法が改正されて、医療機関を取り巻く環境が大きく変わりつつあるんだよ。医療法人成りしている医療機関も医療税制に対する不安は大きいんだ。医療法人のしくみも変わりつつあるんだよ。」
娘「お父さんの事務所では、医療法人が3件で個人の開業医も3件だったわよね。医療税制の情報を集めるのも大変よね。」
父「この時期はお医者さんとしっかりとした話ができる大切な時期だから、確定申告もきっちりとしたいし、医業経営へのアドバイスもしっかりとしたいんだよ。」
娘「お父さんがお医者さんに説明にいく時に、ついていってもいいかしら? 税理士のコンサルティングもみておきたいわ。」
父「それはまた、違った意味でも大変だな。」
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キーワード 「医療法」+「改正」⇒89件
(週刊「T&A master」199号(2007.2.19「石部家の人びとー父と娘の税理士問答」より転載)
(分類:その他 2007.3.28 ビジネスメールUP!
967号より
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