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贈与等の際に支出した費用、通達で取得費算入を明確化
右山訴訟「最高裁判示」を所基通60−2に新設

 

 国税庁は、平成17年6月27日付の「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)で、譲渡所得等の計算について、贈与等の際に受贈者等が当該資産を取得するために通常必要と認められる支出した費用を当該資産の取得費に算入する取扱いを明確化し、所得税基本通達60−2を新設した。

所得税基本通達60−2を新設
 新設された所得税基本通達60−2では、次のように取扱いが明確化された。

(贈与等の際に支出した費用)
60−2 法第60条第1項第1号に規定する贈与、相続又は遺贈(以下「贈与等」という。)により譲渡所得の基因となる資産を取得した場合において、当該贈与等に係る受贈者等が当該資産を取得するために通常必要と認められる費用を支出しているときには、当該費用のうち当該資産に対応する金額については、37−5及び49−3の定めにより各種所得の金額の計算上必要経費に算入された登録免許税、不動産取得税等を除き、当該資産の取得費に算入できることに留意する。
(注)当該贈与等以外の事由により非業務用の固定資産を取得した場合の登録免許税等については、38−9参照

業務用資産での取扱いも明確化
 新設された所基通60−2の取扱いは、右山訴訟「最高裁判示」を受けたものであり、平成17年3月の所得税確定申告時に取扱いの変更を明らかにしていたものを通達化したものである。
 贈与等により取得した資産を譲渡した場合の譲渡所得の取得費については、当該資産が業務用資産・非業務用資産に関わらず、適用することになるが、当該通達の本文中で37−5及び49−3の定めにより各種所得の金額の計算上必要経費に算入された登録免許税、不動産取得税等を除いている。37−5は、業務の用に供される資産に係る固定資産税・登録免許税等の取扱いを明らかにしているが、別途所得税基本通達の一部改正(平成17年6月24日付)で、「(注)業務の用に供される資産には、相続、遺贈又は贈与により取得した資産を含むものとする。」が新たに付されることになった。また、49−3(減価償却資産に係る登録免許税等)についても、「(注)相続、遺贈又は贈与により取得した減価償却資産を含むものとする。」が新たに付されることになった。
 既にある固定資産税・登録免許税等の取扱通達が贈与等により取得した資産についても適用されることが(注)で示され、業務用資産に係る贈与等の際に支出した費用の取扱い(必要経費算入)も明確化されることになった。



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週刊「T&A master」128号(2005.8.29「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2005.10.5 ビジネスメールUP! 760号より )

 

 
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