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「前払賃料方式」の定期借地権評価、定借での評価を明確化
国土交通省、「前払賃料方式」の普及のため、国税庁に照会

 

 前払賃料方式の定期借地権制度の普及をはかる国土交通省土地・水資源局は、平成17年6月28日、「前払賃料方式による定期借地権」が設定された場合の相続税の財産評価及び前払賃料に係る経済的利益に対する所得税の取扱いなどの課税上の疑義について、国税庁に照会を行い、平成17年7月7日付で国税庁から文書回答を受けた。国税庁及び国土交通省は、それぞれのHP上に、「定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括して授受した場合における相続税の財産評価及び所得税の経済的利益に係る課税等の取扱いについて(照会)」を掲載した(22頁参照)。

財産評価は定期借地権一本で
 照会・文書回答によれば、前払賃料方式による定期借地権の評価は、定期借地権の評価(財基通27−2)として行い、当該一時金の額そのものを借地権者に帰属する経済的利益の総額に含めて評価することになるものの、前払賃料の未経過分相当額を定期借地権と別個の財産として計上する必要はない。また、定期借地権の目的となっている宅地の評価及び前払賃料の未経過分相当額については、自用地としての評価額から上記の定期借地権の評価額を控除した金額によって評価し、前払賃料の未経過分相当額を別の債務として控除することはできない、との課税上の取扱いになる。
 前払賃料方式による定期借地権については、当該土地(権利)としての評価と、前払賃料としての評価のいずれの性格をも有することになるが、評価通達上、前払賃料は経済的利益として、定期借地権の評価計算に含まれることになるため、当該土地(権利)としての評価(定期借地権等の評価)で財産評価が行われることになる。

前払賃料方式では、経済的利益の計上ナシ
 定期借地権の設定に伴う保証金の経済的利益については、一定の場合を除き、不動産所得の収入金額に計上することとされている。前払賃料については、当該一時金はいずれその全額が不動産所得の収入金額に計上され、期間満了時には返還を要しないものであるから、保証金には該当せず、その経済的利益に係る所得税の課税は要しないものとする課税上の取扱いが明らかにされた。

住宅ローン控除の適用はナシ
 前払賃料の支払に充てるための借入金については、「土地の上に存する権利の取得の対価」ではなく、賃料として支払うことを明確にしたものであり、住宅借入金等特別控除の特例の適用はないことが明らかにされた。また、住宅取得等資金の贈与の特例についても適用はなく、不動産所得に係る損益通算の特例についても、適用はない。

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週刊「T&A master」123号(2005.7.18「最重要ニュース」より転載)

(分類:税務 2005.8.26 ビジネスメールUP! 745号より )

 

 
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