事業税の外形標準課税に関するP/L表示案がまとまる
第46回企業会計基準委員会が開催される
企業会計基準委員会(ASB)は12月5日、第46回の委員会を開催し、実務対応報告案「法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示についての実務上の取扱い(案)」をまとめた。
これによると、事業税の付加価値割及び資本割については、原則として販売費及び一般管理費に計上することとされている。近日中に公開され、1月23日までパブリック・コメントに付す予定だ。
所得割は従来通り「法人税、住民税及び事業税」で
平成16年4月1日以降開始事業年度より、資本金1億円超の大法人において法人事業税における外形標準課税が開始される。外形標準課税の課税標準としては、従来の所得割に加えて、付加価値割及び資本割が新たに加えられることとなった。その付加価値割及び資本割について、税額を損益計算書上どのように表示するのか明文が無いため、ASBで実務対応報告を取りまとめることとなった。
実務上の取扱い(案)によると、原則として販売費及び一般管理費に計上するものとされた。これは、@付加価値割及び資本割の課税標準は利益に関連する金額を課税標準とする事業税とは判断されない、A日本公認会計士協会監査委員会報告第63号「諸税金に関する会計処理及び表示と監査上の取扱い」2(2)では、当事業年度の利益に関連する金額を課税標準とする事業税以外の事業税は、原則として、損益計算書上営業費用として処理することとされているといった点が理由とされている。@については付加価値割の算定に際して「単年度損益」も加味されることから論点となっていた。
なお、事業税の付加価値割及び資本割分は、販売費及び一般管理費のうち一般管理費として扱われることとなる。
合理的基準に基づく売上原価への配分も可
また、実務上の取扱い(案)によれば、合理的な基準に基づき売上原価(当期製造費用)に配分することができるとされた。これは、主にメーカー等における原価配分を想定した処理。メーカーによっては固定資産税等の租税公課を間接経費として原価に配分しているところもある。それと同様に、工場に係る事業税額について、合理的な基準に従い原価に配分することも認められることとなる。もっとも、実際のところ付加価値割及び資本割に関する事業税額を販売費及び一般管理費に計上する会社が大半を占めることが予想される。
なお、所得割については、従来通り、「法人税、住民税及び事業税」に計上される。
今回の取扱いは外形標準課税制度の導入という会計事実の変化に対応するものであり、会計基準の変更に伴う会計方針の変更には該当しないことには注意が必要だ。
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(週刊「T&A master」047号(2003.12.15)「最重要ニュース」より転載)
(分類:会計 2004.3.1 ビジネスメールUP!
538号より
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