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会計士協会が外形標準課税導入に伴う税効果会計の取扱いを公表
改正後の税率による法定実効税率に基づき税効果会計を適用

日本公認会計士協会は3月25日、法人事業税における外形標準課税制度の導入に伴う税効果会計適用上の取扱いを公表。改正地方税法が平成15年3月31日までに公布されている場合には、新たな税率を使用して算出した法定実効税率に基づき繰延税金資産及び繰延税金負債を計算することを明らかにした。ただし、付加価値割と資本割については、法定実効税率の算式には含めるべきではないとしている。

各都道府県条例は公布日より遅れる
 地方税法等の一部改正法が3月31日に公布されたが、今回の改正点の目玉は資本金1億円超の法人に対する法人事業税における外形標準課税の導入。従来の所得割に加え、新たに付加価値割(税率0.48%)と資本割(税率0.2%)が導入される他、所得割については、標準税率が9.6%から7.2%に引き下げられる。また、各地方団体は標準税率に1.2を乗じて得た率を超えない範囲内で、標準税率を超える税率により所得割に係る法人事業税を課すことが認められている。
 ここで、問題となるのは税効果会計の取扱いだ。会計制度委員会報告第10号「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」では、改正税法が決算日までに公布され将来の税率改正が確定していれば、改正後の税率を適用して過年度に発生した一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の金額を修正することとされているからである。加えて、今回の外形標準課税の導入は、平成16年4月1日以後開始事業年度から適用されるため、各都道府県における適用税率に関する条例の制定及び公布は、必ずしも一定時期に行われるわけではなく、改正地方税法の公布日から遅れることも想定されるため、平成15年3月期の税効果会計の取扱いが注目されていた。

付加価値割と資本割は考慮せず
 この点について、日本公認会計士協会では、仮に各地方団体の条例が制定及び公布されていなくても、地方税法が公布された場合には、前述の実務指針による改正税法の公布があったものとして会計処理を行う必要があるとしている。ただし、付加価値割と資本割については、利益に関連する金額を課税標準として課される税金を対象にした税効果会計の計算理論には適合しないため、繰延税金資産及び繰延税金負債を計算する場合の法定実効税率の算式には含めるべきではないとしている。
 例えば、3月決算会社の場合は、平成15年3月31日における一時差異等のうち、平成16年3月31日までに解消が見込まれるものに対しては、改正前の税率に基づく法定実効税率で計算、逆に平成16年4月1日以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、所得割に係る改正後の税率を基に算定した法定実効税率で見直すことになる。

 



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週刊「T&A master」014号(2003.4.7)「最重要ニュース」より転載)

(分類:会計 2003.6.11 ビジネスメールUP! 439号より )

 

 
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