第68回
印紙税の一工夫
印紙税は日々の商取引に直接関わっています。経理担当者でなくとも、「印紙を貼らなければならないか」「貼るとしたらいくらか」には注意しておかなければなりません。
印紙税負担を少しでも減らすためには、必要のない文書は作らないなどの原始的な対応もありますが、契約書原本を1通のみ作成して後はコピーで対応する(取引上問題ない場合だけです)などの工夫も有効でしょう。
そのほかの工夫例で挙げられるのが、消費税をどう書くかです。記載金額如何で印紙税額は決まりますが、この記載金額には、別記載された消費税等分は含まれません。したがって、本体部分と消費税等分とは区分して、消費税等額をしっかり明示して、契約したほうが印紙税上は有利です。(1号文書、2号文書、17号文書のみ)
また、複数の文書を一つの文書にまとめ、金額を別々に記載するという方法もあります。印紙税は課税対象となる文書を1号から20号までに分類し、それぞれ違う税額を定めていますが、複数の異なる号数の文書が1つにまとめられている場合で、それぞれ金額が分けて表示されている時には、その中の1つの文書のみに印紙税がかかることとなっています。
例えば「記載金額1億円の不動産の売買契約書」(1号文書)と「記載金額5000万円の工事請負契約書」(2号文書)を合体させ、金額を「土地売買代金1億円、工事費用5000万円」と分けて記載した場合には、「記載金額1億円の不動産の売買契約書」(1号文書)として判断されます。別々に作成した場合の印紙税が8万円(現在は軽減され6万円)となるところ、6万円(現在は軽減され4万5,000円)だけで済むのです(ただし、金額を分けて記載しなかった場合等では「売買代金1億5000万円の不動産売買契約書」とされるので印紙税額は10万円(現在は軽減され8万円)になってしまいます)。
何でもかんでも合体するわけにはいきませんが、ケースによっては印紙税負担を減らすことができます。
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(2002.8.2 ビジネスメールUP!
323号より
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