第59回


経済活性化に結びつくか「構造改革特区構想」

 経済財政諮問会議では、経済活性化のために、全国一律の規制について、特例的な規制を適用したり、試行的に特定地域に限って緩和する「構造改革特区」の推進について議論を行っています。IT産業におけるシリコンバレ−のようなものをイメ−ジして、規制緩和により産業を集積するとともに、経済活性化のリ−ド役を期待したものということになります。

  具体的には「IT関連産業集積特区」「バイオ・ライフサイエンス特区」「国際交流型経済特区」「創業促進型経済再生特区」「農企業創生特区」などが構想されています。現段階の議論では、国による税の減免や補助金等の従来型の財政措置は用いないこととなっていますが、規制緩和だけで「特区」参加への十分なインセンティブとなるかについては、未知数といわざるをえません。

  すでに、沖縄の金融業務特別地区については実施に移されていますが、税の減免(特区内の法人について、10年間、金融事業所得の35%の所得控除)も盛り込まれたものとなっています。地方行政・産業振興のあり方も含め「特区」構想から目が離せませんが、「特区」参加へのインセンティブを考えると「カジノ(ギャンブル)特区」の方が実現性が高いのかもしれません。

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2002.5.31 ビジネスメールUP! 296号より )

 

 
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