第49回
申告書に誤りがあった場合にはどうする?
3月15日は、平成13年分の所得税確定申告の申告期限であり、贈与税の申告期限でもあります。税に携わる職業の方、大変ご苦労様でした。お疲れのところ縁起でもないと言いたいところでしょうが、申告書の内容に誤りが見つかった場合には、いくつかの手続きが必要になるので要注意です。
最初に課税漏れのケースについてです。
納税者が自ら誤り(課税漏れ)を発見した場合、あるいは、税務署の課税漏れの指摘に納税者が納得している場合、納税者は、税務署長が更正を行うまでは、修正申告書を提出することができます。税務署が納税者に連絡なしに更正を行うことは、普通考えられないので、納税者が誤りを認めている場合には、修正申告書の提出により、訂正されることになります。修正申告書を提出するのは、あくまで納税者の意思に基づくものであり、修正申告書の提出後に、その誤りについて、税務署と争うことができなくなります。
税務署長は、納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算に誤りを見つけたときには、調査により、その申告書に係る課税標準等又は税額等を更正することができます。税務署が課税漏れを発見した場合などは、納税者に修正申告書の提出を勧めるのが通例ですが、納税者が修正申告書の提出に応じないようなときに更正を行うことになります。更正については、納税者は、争訟手続きにより争うことができます。
反対に税額が過大となるケ−スについてです。
税額が過大となる誤りを発見したときは、修正申告ではなく、税務署長に更正の請求を行うことになります。「このような間違いのために、税金を払いすぎてしまったので、よく調べて、正しく直して下さい。」と税務署長に請求(お願い)する方法です。更正の請求は、法定申告期限から1年以内に限りできることが規定されています。平成13年分の所得税確定申告書の内容について、更正の請求ができるのは、平成14年3月15日から1年以内ということになります。
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(2002.3.15 ビジネスメールUP!
267号より
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