第41回
OB税理士って何!?
元札幌国税局長の脱税逮捕をきっかけに、"OB税理士"がクローズ・アップされている。
OB税理士とは、税務署出身の税理士の通称。OB税理士は、すべての税理士の1/3程度を占めるといわれている。一言でOB税理士といっても、二種類ある。一つは、税務署に勤務しながら税理士の試験勉強をして、税理士試験に合格するもの。もう一つは、税務署に一定期間(28年程度)以上勤務し、指定研修を終了することで税理士試験を免除されたものである。
今回の事件で問題となったのは、OB税理士が税理士自身、あるいは、税理士の関与先への調査が行われないように現職時代の影響力を行使していたのではないかという点である。
OB税理士の制度は、国税職員の人事の活性化という正の面と、税務行政への疑念という負の面を有するだけに、今回の事件で、国税庁は、事件発覚後、臨時全国国税局長会議を開催して、税務行政に疑念を抱かれないように、綱紀の徹底を指示している。
OB税理士には、税務署を退職(税理士を開業)する際に、関与先を紹介してもらえる制度があるといわれている。これは、退職を目前にした税務署職員が、その現職中に営業的行為(調査に手加減を加えることで、退職後の顧問契約を約束させること等)が行われることを防止する意味があるのだが、OB税理士を受け入れる企業がOB税理士に期待するものは、税務署への影響力の行使ではないかといわれ、この点からも、クローズアップされている。
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(2002.1.18 ビジネスメールUP!
244号より
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