第40回


税制はどこで決まる!?

 我が国の税制は、政府の税制調査会と自民党(与党)の税制調査会で審議されている。現在は、政治優位の状況で、政府の税調が中期的な税制のあり方を示す一方で、最終的な税制の決定権限は自民党(与党)の税制調査会が握っている。党税調の大物が、「政府税調の意見など無視する」と放言したとの噂話は、このような実態を象徴していると言えるだろう。

  このような状況に割って入ってきたのが、「経済財政諮問会議」。経済財政諮問会議は、政府税調と同じ首相の諮問機関であるが、改正のタイムスケジュールを明確に示した上で、税制の抜本的改革を行うという。税制の抜本改革という点では政府税調とバッティングするほか、税制改正のタイムスケジュールまで決定することになると、党税調との間でも税制の決定権限で軋轢が生じることになる。

  こうした中、現在、政府税調、党税調、経済財政諮問会議の三者間では、税制の決定権限を巡り、熾烈な綱引きが展開されている。もっとも、納税者にとっては、「結果」が重要であり、税制がどこで決まろうがあまり関係ない話。権力闘争に時間を費やすより、肝心の税制の中身をしっかり議論して欲しいものだ。

 

バックナンバー

2002.1.11 ビジネスメールUP! 242号より )

 

 
過去のニュース、コラムを検索できます
 Copyright(C) LOTUS21.Co.,Ltd. 2000-2017. All rights reserved.
 全ての記事、画像、コンテンツに係る著作権は株式会社ロータス21に帰属します。無断転載、無断引用を禁じます。
 このホームページに関するご意見、お問合せはinfo@lotus21.co.jp まで