第22回


香典は現金より花輪の方がお得?

 取引先の数も多くなれば、慶弔費もばかにならないもの。少しでも出費を抑えたいのが人情だろう。税金の世界では、この慶弔費をどのような「形」で出すかで、負担が変わってくることがあるので覚えておきたいところだ。

 例えば、取引先で不幸があった場合、「香典」として現金を出すこともあれば、花輪等を送ることもあるだろう。しかし、そのどちらを選択するかで、消費税の負担が変わってくる。というのも、消費税法上、「現金」の譲渡は非課税とされており(消費税法6条、別表1二)であり、仕入税額控除することもできないため。一方、花輪は言うまでもなく消費税の課税対象である。したがって、花輪を購入した際に払った消費税は、仕入税額控除の対象としてよいわけだ。

  「購入時に消費税を払っているのだから、仕入税額控除の対象となったって結局いっしょじゃないか」との意見もあろうが、10万円の現金を出した場合と、10万円の花輪(消費税税込)を送った場合、消費税のことを考えれば、花輪の方が少しだけ得なのは確かなのである。もっとも、人に不幸があったというのに、わずかな金額であまり損得ばかり言っていると、バチが当たりそうな気もするが……

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2001.8.10 ビジネスメールUP! 188号より )

 

 
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