第21回
胎児を祖父の養子にする方法
第7回の雑学事典において「胎児にも相続権がある」とお伝えしたところ、そのことに関連して読者から質問をいただいたので、今回はそれにお答えすることにしよう。
質問の内容は、「生まれる前に祖父の相続権を取得する方法(養子等)があるのか」というもの。確かに、生まれる前に祖父の相続権を取得する方法としては「養子」にするぐらいしか考えられないので、ここでは「胎児を養子にすることができるか」という点に絞ってお答えする。
その答えは「民法」にある。まず民法886条を見ていただきたい。同条第1項は「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす」と規定している。次いで783条。同条第1項には「父は、胎内に在る子でも、これを認知することができる…以下略」とある。
では、民法上、「胎児を養子にできる」との規定はあるか?これは、残念ながらどこを探しても見当たらない。「相続」や「認知」に関しては、民法にきちんと規定があるにもかかわらず、「養子」に関する規定はどこにもないのである。すなわち、規定がない以上、胎児を養子にすることはできないという結論になる。
人の生死の時期をコントロールするのは基本的には不可能。将来の孫を「養子」とするには、オジイさんにもう少し長生きしてもらうしかないのである。
※質問をいただいたKatori様、ありがとうございました!!これをもって回答に代えさせていただきます。また何かありましたら、いつでもご質問ください!!
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(2001.8.3 ビジネスメールUP!
185号より
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