第13回

贈与税
○○君を助ける寄附

 13年度税制改正では、贈与税の基礎控除額が「110万円」に引上げられた(これまでは60万円)。これはつまり「110万円までなら、人にタダでお金を上げても贈与税はかかりませんよ」という意味だ。

 ただし、たとえ110万円を超えて贈与を行ったとしても、例えば「"扶養義務者"相互間の生活又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については、贈与税がかからないことになっている。確かに、親が子供のために払った教育費に贈与税がかかってはたまったものではないから、これは当然の規定と言える。

 一方で、何とも言い難いのが、「○○君を助ける寄附」の類。例えば交通事故で両親をなくした○○君を大学に進学させるために寄附を募るというような"美談"は時折耳にするところである。しかし、この○○君と、○○君に寄附をする人との間に「扶養義務」関係がない場合、法律的には「贈与税がかかる」ということにならざるをえない(寄附額が110万円を超える場合)。

 以前このコーナーでも触れたが、三田よし子さんの息子が貰っていたという月50万円という小遣いが贈与税課税の対象にならないというなら、不幸を乗り越え一生懸命勉強しようという青年への寄附に対して贈与税をかけるというようなことはあってはならないはずだと思うのだが…。

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2001.6.1 ビジネスメールUP! 159号より )

 

 
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