平川税務会計事務所 中島 孝一
第68回
連結納税制度とは
☆ 制度の概要
連結納税制度は平成14年8月1日に施行されましたが、平成14年4月1日以後開 始し、かつ、平成15年3月31日以後終了する事業年度から適用することができます。
3月決算法人であれば、平成14年9月30日までに届出を行えば平成15年3月期から適用されます。
連結納税制度とは、親会社(法律では連結親法人といいます)と同一視し得る100%子会社群(法律では連結子法人といいます)を含めたグループを一つの「課税単位」として課税する仕組みをいいます。
☆ 制度の適用判断
連結納税制度を選択した適用した場合には、個別申告と比較して有利な点・不利な点(税負担が減少するか増加するかという判断基準によります)があり、一度選択すると原則として取り止めはできませんので慎重に検討する必要があります。
☆ 制度の有利な点・不利な点
連結納税制度の有利な点は、連結グループ内の各法人の所得金額と欠損金額を通算できること及び連結グループ内の法人間における一定資産(帳簿価額1千万円以上の固定資産・土地等・金銭債権・売買目的以外の有価証券・繰延資産)の移転に伴う譲渡益について課税の繰延べができることにあります。
しかし、次のような不利な点があるため、連結納税制度を選択する法人は少ないようです。
○ 欠損金の取扱い
連結納税制度の適用開始前の欠損金額は、親会社及び一定の欠損金額以外は連結納税制度の下で繰越控除できません。
○ 寄附金
連結グループ内の法人間での寄附金は、その全額が損金不算入になります。
○ 交際費
親会社の資本金額(5千万円超とします)を基に連結グループを一体として計算するため、資本金額5千万円以下の子会社は損金算入枠が消滅します。
○ 税率
2年間の措置として、現行税率に2%上乗せした税率が適用されます。
○ 留保金課税
親会社が同族会社であれば、連結グループを一体として適用するため、個別申告と比較して税負担が増加します。
(2002.9.9 ビジネスメールUP!
336号より
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