平川税務会計事務所 小林光広
第61回
ゴルフ会員権が分割された場合の取扱い
☆ 分割時の課税関係
近年、預託金制ゴルフ会員権の預託金の償還期限を延長するケースが多く報告されていますが、各ゴルフ場ではその代替措置として会員権を分割して付与するなどしています。
会員権が分割された場合に、会員は分割の前後を通じてゴルフ場施設利用権を利用できることにおいては、何ら変わらないことからその分割よって新たな権利義務等は発生していないと考えられます。
あるいは、預託金返還請求権についても旧契約に係る預託金を新契約に係る預託金に引継ぐことから、その将来返還される金額の総額に何ら変更が生じないことなどの観点から、ゴルフ会員権の分割時には課税関係は生じないことになります。
☆ 帳簿価額と預託金との差額
預託金の額面金額を超える価額で購入した会員権であっても、帳簿価額と新たな預託金の額面金額の合計額との差額を評価損として、損金の額に算入することは認められません。
反対に、預託金の額面金額を下回る価額で購入した会員権は、帳簿価額と新たな預託金の額面金額の合計額との差額を評価益として、益金の額に算入する必要もありません。
☆ 分割後の会員権の取得価額
@ 分割後の会員権の取得価額は、分割前の帳簿価額を分割後の会員権の各々 の預託金の割合で按分し、その付替計算を行 うことになります。
分割前の会員権の帳簿価額×その会員権の預託金の額÷分割後の会員権の預託金合計額
A 分割に伴って、預託金の一部が償還された場合には、分割前の帳簿価額か ら償還された金額を減額し、この金額を基礎として 上記@の付替計算を行うことになります。
☆ 取得時期
分割後の会員権の取得時期は、分割前の会員権の取得時期を引継ぐことになります。
(2002.7.15 ビジネスメールUP!
315号より
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