平川税務会計事務所  酒本 和幸


第45回
配当金にかかる税金

☆ 所得税法上の配当金

 所得税法では配当について、企業が株主に対してその決算を経て支払われる通常の配当としての「利益の配当」と、商法上は利益の配当と規定されていないものでも、その実質が利益の配当と変わりがないものを「みなし配当」として規定し、いずれも所得税の課税対象とされています。

☆ 配当金の金額別の課税

 配当金にかかる税金は、所有する株式の1銘柄ごとの配当金の額と株数により次の方法が適用・選択することができます。

1銘柄当りの配当金
課税方法
 
所得税
住民税
1

計算期間

1年以上⇒50万円以上

1年未満⇒25万円以上

総合課税

(確定申告 必要)
受取配当金の20%が源泉徴収され、確定申告で清算される。
配当控除の適用あり。

総合課税。

配当控除の適用あり。

2

計算期間

1年以上⇒10万円超50万円未満

1年未満⇒5万円超25万円未満

総合課税

(確定申告 必要)
受取配当金の20%が源泉徴収され、確定申告で清算される。
配当控除の適用あり。

総合課税。

配当控除の適用あり。

分離課税

(確定申告 不要)
受取配当金の35%が源泉徴収される。
配当控除の適用なし。

総合課税。

配当控除の適用あり。

3

計算期間

1年以上⇒10万円以下

1年未満⇒5万円以下

総合課税 (確定申告 必要)
受取配当金の20%が源泉徴収され、確定申告で清算される。
配当控除の適用あり。
非課税
免除 (確定申告 不要)
受取配当金の20%が源泉徴収され課税関係終了。
配当控除の適用なし。
非課税

☆ 課税方法の選択方法

  配当金にかかる税金については納税者本人の他の所得金額と所有株式等の1銘柄ごとの配当金の額により、課税方法を選択します。

  前記1の配当は総合課税のみとなります。前記2の配当は確定申告が不要となる分離課税が選択できますが、現在の所得税率では配当控除の適用を受けると常に総合課税の方が適用税率が低いため、総合課税が有利となります。前記3では納税者の課税所得金額が1000万円超の場合申告免除が有利となります。また、課税所得金額が900万円以下の場合は総合課税が有利となり、900万円超1000万円以下では適用される税率は同じとなります。

2002.3.11 ビジネスメールUP! 265号より )

 

 
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