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        平川税務会計事務所  栗原 初治  
         
          第41回  
          役員の報酬に関する税務  
           
         ☆ 役員報酬と賞与の区分 
           
            報酬とは、役員に対する給与(経済的利益を含む。)のうち、賞与及び退職給与以外のものをいいます。この場合、賞与及び退職給与は臨時的な給与であり、報酬は定期の給与ということになります。 
           
            報酬は、不相当に高額な部分の金額を除き損金の額に算入されますが、賞与は使用人兼務役員に対する使用人分の賞与を除き、損金の額に算入されないことになっています。 
           
          定期の給与  
            定期の給与とは、予め定められた支給基準(慣習によるものも含む。)に基づいて、毎日、毎週、毎月のように月以下の期間を単位として規則的に反復又は継続して支給されるものをいいます。 
           
           
          特定月の増額支給  
            毎月規則的に支給されている給与であっても、その給与が特定月だけ増額されている場合には、通常行われる増額でない限り、その支給総額が定時株主総会等の承認を受けた支給限度額以内であっても、その特定月の増額部分は臨時的な給与つまり役員賞与となります。 
            
           
          ( ポイント) 
          (1) 役員の月額報酬を定めていながら、資金繰り等の都合から支給金額や 支給時期がまちまちであると、各月の支給最低限を   超える部分は賞与と 
          認定されます。 
          (2) 毎月支給する役員報酬の額が、前月の売上高に応じて増減するように 定められている場合には、その役員報酬として支給す  る給与のうち、売 
          上高の如何にかかわりなく支給することとされている金額を超える部 分の金額は賞与とされます。 
           
          ☆ 事業年度の途中で役員報酬を増額 
           
          支給限度額の増額による一括支給 
           臨時株主総会等の決議により、役員報酬の支給限度額を増額改定し、既往分として一括支給するような場合には、原則として臨時的な給与として役員賞与となり、損金の額に算入されません。 
           
          定時株主総会等による遡及支払   
            役員報酬の支給限度額の増額改定の決議は、通常、定時株主総会等により行われます。例外的にその増額改定がその決議の日の属する事業年度の開始の日以後に行われることになっている時は、その決議に基づく遡及期間(通常は2ヵ月又は3ヵ月)にかかる増額分の一括支給額は役員報酬として取り扱われます。 
            
           
          留意点 
           定時株主総会等の決議により、役員報酬額を増額した後、短期間で減額するような場合には、役員として職務を執行できない、業務上の事故や過失があった等の相当な理由がなければ認められません。 
           単に資金繰りの都合や会社の業績悪化などの理由では、増額した差額分は賞与とみなされる可能性があります。  
        
         
          
          
        
          (2002.2.13 ビジネスメールUP! 
          254号より 
          ) 
            
          
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