平川税務会計事務所 岩渕 尚樹
第40回
個人の不動産貸付業と事業税について
☆概要
事業税は、個人の方が営む事業のうち、特に法律で定められた事業(法定業務)に対してかかる税金です。
第一種事業:物品販売業・不動産貸付業・飲食店業等(全37業種)
第二種事業:畜産業・水産業・薪炭製造業(全3業種)
第三種事業:医業・税理士・弁護士・デザイン業等(全31業種)
☆不動産貸付業
不動産貸付業では、次の基準に該当する場合は不動産貸付業として個人事業税の課税対象となります。また、駐車場業を営んでいる場合には下記の基準ではなく構築物等を備えた駐車場若しくは駐車台数10台以上で駐車場業として個人事業税の課税対象となります。
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種類・用途等 |
貸付件数等 |
建物
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住宅 |
一戸建 |
棟数が10以上 |
一戸建以外 |
室数が10以上 |
住宅以外 |
一戸建 |
棟数が5以上 |
一戸建以外 |
室数が10以上 |
土地
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住宅用 |
契約件数が10以上または貸付総面積が2,000u以上 |
住宅以外 |
契約件数が10以上 |
上記不動産を併せて貸し付けている場合 |
各種の貸し付けの総合計件数が10以上 |
前記の基準未満であっても、貸付状況等からみて、不動産貸付業と認定される場合があります。
☆事業税の課税標準
前年の1月1日から12月31日までの1年間の事業から生じた所得で、事業の総収入金額から必要経費を控除して計算します。この計算方法は、原則として、所得税(国税)の事業所得、不動産所得と同じです。
事業所得及び不動産所得 |
+ |
所得税の事業専従者給与(控除)額 |
− |
個人事業税の事業専従者給与(控除)額 |
+ |
青色申告 特別控除額 |
− |
損失の繰越等の控除の金額 |
− |
事業主控除額 |
事業主控除額は年間290万円(営業期間が1年に満たない場合には月割)と定められており、それが基礎控除のようになっているため、不動産所得の額がその額を超えなければ、上記事業的規模でも事業税は課税されません。
☆税率
不動産貸付業は第一種に該当するため5%の税率となります。
【参考】
第一種事業 5%
第二種事業 4%
第三種事業 5%
※ 助産婦、あんま等、装蹄師業は3%
バックナンバー
(2002.2.4 ビジネスメールUP!
251号より
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