平川税務会計事務所   中村 一好


第34回
ガン保険の税務上の取扱いについて

概要

 終身保障タイプのガン保険の保険料については、昭和50年10月6日付の個別通達(直審4−76)により、保険料を支払ったときの事業年度において全額、損金処理をすることが認められていました。

 これに対し国税庁は、終身保障タイプのガン保険料等の保険料に関する法人税法上の取扱い(平成13年8月10日付、課審4−100)を明らかにしました。この通達では、有期払込契約にかかわる保険料については、保険料払込期間と保険期間の経過が対応していないとして、支出時の損金処理を認めず、その大部分を前払保険料として資産計上することとしています。

保険料の税務上の取扱い

 平成13年9月1日以後に支払われる保険料について、その払込期間によって次のように処理することが明確にされました。

  (1)  払込期間が生涯にわたる終身払込の場合は、保険料を支払ったときの事業年度において全額、損金処理をすることが認められる。
  (2)  払込が一定期間で終了する有期払込については、それぞれ期間に応じ次の計算式で計算した金額を損金処理する。


・保険料払込期間中
  払込保険料×
保険料払込期間

105才− 加入時年齢
=損金算入額

・保険料払込期間終了後
 
資産計上累計額

105才− 払込満了時年齢

保険料払込満了後の毎年の損金算入額

  計算上の満期到達時年齢

具体的な計算例

 契約時の年齢が45歳で、保険料(40万円)を年払で60才まで支払う契約の場合。

45歳から60歳まで

  400,000円 × 
15年

105才−45才
=100,000円 損金算入額

61歳以降

 
4,5,00,000円

105才−60才
 =100,000 損金算入額

(400,000円−100,000円)×15年=4,500,000円

留意点

 昭和50年10月6日付の個別通達は、9月1日をもって廃止されました。 また、被保険者が「役員、部課長その特定の使用人」のみである場合、当該役員、使用人に対し給与課税が行なわれます。

 

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2001.12.17 ビジネスメールUP! 237号より )

 

 
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