平川税務会計事務所 飯田昭雄
第20回
期中損金経理額とは
期中損金経理額とは
企業組織再編成における、「適格合併・適格分割型分割」と「※適格分社型分割等」での資産等の引継処理等に関して、償却費・引当金・圧縮記帳等の計上のバランスをとるため、適格分社型分割等の場合に限り新たに設けられた規定です。
※適格分社型分割等とは、適格分社型分割、適格現物出資、又は適格事後設立をいいます。
みなし事業年度との関係
(1)適格合併等の場合 みなし事業年度の規定あり
(2)適格分社型分割等の場合 みなし事業年度の規定なし
償却費・引当金・圧縮記帳等の計上
償却費・引当金・圧縮記帳等の計上は、その事業年度終了の時において計上することとされています。例えば、減価償却費の計上はその事業年度終了の時において、その有する減価償却資産に限定されています。
つまり、みなし事業年度の規定のある合併・分割型分割は償却費等の計上が可能ですが、みなし事業年度の規定のない分社型分割等の場合は事業年度末でないため、償却費等の計上ができないこととなります。
法人税法の改正(例えば償却費の計上)
法人税法では適格分社型分割等の場合に限り『期中損金経理額』を定義し、適格分社型分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合の償却限度額に達するまでの金額を、その適格分社型分割等の日の属する事業年度の損金の額に算入します。
手続
『期中損金経理額』を計上する場合には、資産を移転した分割法人等が適格分社型分割等の日以後2月以内に期中損金経理額その他一定の事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
なお、その他一定の事項を記載した書類は指定された書式が特にありませんので、分割の経過の分かる書類を添付することになります。
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(2001.9.10 ビジネスメールUP!
198号より
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