平川税務会計事務所 戸島 優子
第18回
相続税における小規模宅地等の減額特例について
相続税における土地(宅地)の評価方法
土地の評価は利用単位となっている1区画ごとに評価することになっており、路線価方式、倍率方式などがあります。
小規模宅地等の課税価格計算の特例とは
事業又は居住の用に供されていた宅地のうち一定の部分については、相続人の生活維持の観点から欠くことができないものであるため、課税価格算入額を減額するというもので、その減額は以下の算式で計算されます。
(A)−(A)×特例対象面積までの部分/その宅地全体の面積×減額割合 |
(A)・・・ 路線価、倍率方式などによって求めた土地の通常の評価額 |
特例を受けられる土地の条件
(1)被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住用、事業用、又は国の事業の用に供されている宅地であること。
(2)建物、構築物等が建てられている土地であること。
用途別の減額割合及び特例適用対象面積
用途の区分
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減額割合
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特例対象面積 |
事業用宅地 |
特定事業用宅地等
上記以外の宅地等 |
80%
50% |
400平方メートル
200平方メートル |
同族会社
事業用宅地 |
特定同族会社事業用宅地
上記以外の宅地等 |
80%
50% |
400平方メートル
200平方メートル |
国営事業用
宅地 |
国営事業用宅地等
上記以外の宅地等 |
80%
50% |
400平方メートル
200平方メートル |
居住用宅地 |
特定居住用宅地等
上記以外の宅地等 |
80%
50% |
240平方メートル
200平方メートル |
貸付用宅地 |
不動産貸付、駐車場業 |
50% |
200平方メートル |
* 本年の改正により特例対象面積が、特定事業用宅地等は330平方メートルから400平方メートル、特定居住用宅地等は200平方メートルから240平方メートルに拡大され、平成13年1月1日以後に相続または遺贈によって取得した財産にかかる相続について適用されることとなりました。
特定とは
被相続人等の事業(居住)の用に供していた宅地等で、
(1)被相続人の配偶者や同居親族がその土地を相続等により取得し、
(2) 相続税の申告期限までに事業を承継し(居住し)
・・事業承継(居住継続)要件
(3)相続税の申告期限まで保有している・・保有継続要件等の要件を満たしている宅地。
特定事業用宅地と特定居住用宅地がある場合の調整
特定事業用宅地 A平方メートル(A<400) 特定居住用宅地 B平方メートル (B<240)
(1)特定事業用宅地を優先
A すべてについて適用可
B 240−(A×240÷400)平方メートルについて適用可
(2) 特定居住用宅地を優先
B すべてについて適用可
A 400−(A×400÷240)平方メートルについて適用可
バックナンバー
(2001.8.27 ビジネスメールUP!
192号より
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