平川税務会計事務所   森 秀樹

第8回
ソフトウエアの取扱いについて

ソフトウエアの定義
 法人税法上、ソフトウエアの具体的定義規定はありませんが、研究開発 費等に係る会計基準の設定に関する意見書(企業会計審議会等)において、 「コンピュータを機能させるように指令を組み合わせて表現したプログラ ム等」と定義されているのが参考となります。

従来の取扱い(平成12年度 改正前)
 法人税法上、他者から購入等したソフトウエアは、繰延資産に該当し、5年間で均等償却することとされ、自社開発などの場合には資産計上は不 要とされていました。

改正後の取扱い(平成12年度 改正後)
 ソフトウエアの取扱いについて、次のような改正がありました。
(1)資産区分の変更  ソフトウエアの税務上の資産区分が、繰延資産から無形固定資産に変更されました。
(2)耐用年数の制定
 ソフトウエアが無形固定資産(減価償却資産)と定められたことにより、耐用年数省令において下記のように耐用年数が定められました。   
・無形減価償却資産(別表第三)    
 複写して販売するための原本      3年    
 その他のもの             5年   
・開発研究用減価償却資産(別表第八)    
 ソフトウエア              3年
(3)適用時期について
 上記改正は、平成12年4月1日以後に取得されるものから適用されます。

改正と留意点
(1)少額減価償却資産の基準の適用
 従来、繰延資産たるソフトウエアは、その取得価額が20万円未満のも ものについて、支出した事業年度において損金経理したときはその事業年 度の損金とされていましたが、減価償却資産とされたことにより、取得価 額が10万円以上のものは、資産計上することとなります。
(2)一括償却資産の適用
 繰延資産については適用のなかった一括償却(10万円以上20万円未満の減価償却資産の3年間均等償却)が認められることとなります。

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2001.6.11 ビジネスメールUP! 163号より )

 

 
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