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        平川税務会計事務所   植原由里子  
        第6回 
          帳簿価額の引継ぎと圧縮記帳の相違  
         「譲渡損益の繰延べ」の前提 
           会社分割等によって、移転資産に対する支配が再編成後も継続しているものについては、移転資産の譲渡損益の繰り延べ等として考えています。したがって、譲渡損益の繰り延べ等は帳簿価額の引継ぎを前提にしています。 
           
           
          旧法51条における圧縮記帳 
           法人が現物出資により子会社を設立し、一定の要件を満たしている場合には、圧縮記帳により譲渡益の課税の繰り延べを認めていました。しかし、含み損のあるものは圧縮記帳によって処理されず、実現損として調整していました。 
           
          移転資産等の譲渡損益の取扱い  
           原則として、資産等の移転は時価による譲渡とし、譲渡損益の計上を行い ますが、以下のような適格組織再編成については移転資産の譲渡損益の繰り 
          延べ等が特例として認められています。 
           
          (1) 適格分割型分割または適格合併による資産等の移転 
          →最後事業年度または分割事業年度終了の時の帳簿価額による引継 ぎとし、譲渡益及び譲渡損の計上を繰り延べるまたはその発生はない ものとします。 
           
           
          (2) 適格分社型分割または適格現物出資による資産等の移転 
           →その適格分社型分割等の直前の帳簿価額による譲渡とし、譲渡損益 の計上を繰り延べます。 なお、この措置を講ずることにより、特定現物出資により取得した 
          有価証券の圧縮記帳制度は廃止されました。  
           
          (3) 適格事後設立による資産等の移転 
          →時価による資産の譲渡とし、これにより生じた譲渡益または譲渡損 相当額の子会社株式の帳簿価額の修正損または修正益を計上するも のとします。 
          この場合の子会社の処理は、購入した資産等の帳簿価額を親会社の 帳簿価額と同額に修正します。   
           
          (注)非適格分割または非適格合併 適格分割または適格合併に該当しない分割または合併による資産等 の移転は、時価による資産等の譲渡とし、譲渡益または譲渡損は、分割 
          型分割または合併にあってはその前日の属する事業年度、分社型分割に あってはその日の属する事業年度の益金の額または損金の額とします。なお、上記(1)及び(注)の措置を講ずることにより、合併の場合 
          の清算所得に対する法人税は廃止されました。で償却超過額に含まれず、翌期(平成14年3月期)においても損金  算入が認められません。  
        
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         (2001.5.28 ビジネスメールUP! 
          157号より 
          ) 
            
          
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