平川税務会計事務所 飯塚正幸
第4回
免税事業者が税抜処理した場合の交際費の処理
税抜経理方式とは
消費税の経理処理の一つである税抜経理方式とは、消費税(地方消費税を 含む。)に相当する額を売上高及び仕入高に含めないで、売上げ又は仕入れ等
の対価の額と消費税額(地方消費税を含む。)とを区別して経理処理する方法です。具体的には、売上げ等の収益に係る仮受消費税と固定資産等の取得及び経費等の支出に係る仮払消費税とを両建てし、両者を相殺した差額が納付すべき、又は還付を受ける消費税額になるという、いわば消費税を通過勘定として処理する方法です。
免税事業者の消費税の処理
消費税の納税義務が免除されているいわゆる免税事業者(基準期間の課税 売上高が3,000万円以下の法人(新設法人を除く。))は、売上げに対して消費税は課されず、また、仕入れに含まれる消費税相当額の控除はできませんので、仮受消費税と仮払消費税とが両建てされないことから、たとえ消費税の経理処理について税抜処理方式を選択適用している場合であっても、法人の課税所得金額の計算に当たっては、税抜経理処理を適用することはできず、税込経理処理を適用しなければなりません。
期中の処理を税抜経理処理方式によっている免税事業者
前述の規定は、免税事業者等の法人税の課税所得の金額の計算における消 費税等の経理処理方式を定めているものであり、法人が日々実際に行う経理処理についてまで 拘束するものではありません。
しかし、期中の処理を税抜経理方式により行っている免税事業者が課税所得の金額を計算する場合には、期中において仮受・仮払消費税等とした消費税等の額をそれぞれ益金の額及び損金の額に戻入れる必要があります。
また、個々の取引について、例えば少額減価償却資産の取得価額の判定や資産の評価損に係る時価等の判定等についても、再度、税込経理方式による検討を行う必要があるものと思われます。
交際費の別表計算
交際費等の損金不算入の計算においては、税込金額による計算となるため、別表15の支出交際費等の額の明細の記載は、税込による記載あるいは消費税部分を分けて記載することになります。
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(2001.5.14 ビジネスメールUP!
151号より
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