平川税務会計事務所  中島 孝一

第1回
パソコン税制の廃止に伴う留意点

パソコン税制とは
  パソコン税制(特定情報通信機器の即時償却制度)とは、平成13年3月31日までの間に、パソコンなどを取得し事業の用に供した場合、その「事業 の用に供した日の属する事業年度」にパソコンの取得価額(100万円未満に限ります)の全額を減価償却費として損金経理することにより、その事業年 度の損金の額に算入することができる(一事業年度で全額償却できる)会社にとって有利な制度です。

パソコン税制の廃止
 平成13年度の税制改正により、平成13年3月31日をもってパソコン税制が廃止されました。  
(注) 併せて、パソコンの法定耐用年数が6年から4年に短縮されました。  

 同制度の廃止は、平成12年12月に公表された平成13年度税制改正の大綱などで明らかにされましたので、廃止前にパソコンを購入しようとする 「駆け込み需要」が多かったようです。

3月31日(土)取得・4月2日(月)事業供用の場合
 3月決算の会社が、平成13年3月31日(土)にパソコンを取得し、翌々日の4月2日(月)にパソコンを事業の用に供すると「事業の用に供した日の属する事業年度」は、平成14年3月期(13/4〜14/3)の事業年度になり、 平成14年3月期からパソコンの普通償却限度額を損金経理により損金算入することがてきます。

平成13年3月期に償却費を計上した場合の取扱い 償却費は架空の経費
 上記の事例で,パソコン取得日(3月31日)の属する事業年度である平成13年3月期に、パソコンの取得価額の全額を償却した場合、パソコンは取得していても事業の用に供していないので、法人税法上の減価償却資産とは認められません。  

 したがって、パソコンの取得価額の全額を減価償却費として損金経理しても「架空の経費」とされ、減価償却費として損金経理をした金額に含まれません。

償却超過額にも該当しない   
 償却超過額とは、減価償却資産について償却費として損金経理した金額のうち、その事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入されなかった金額を いい、翌期の償却費として損金経理した金額に含まれます。

 事例の償却費は、平成13年3月期で損金経理をした金額に含まれていませんので償却超過額に含まれず、翌期(平成14年3月期)においても損金  算入が認められません。

 

 

2001.4.20 ビジネスメールUP! 145号より )

 

 
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