特定口座内株式の取得金額
各証券会社では、新証券税制の説明・特定口座の申し込み募集が始まりました。
特定口座では、証券会社が投資家個人に代わって売却損益などを計算してくれますので、大変便利な面もありますが、特定口座に保管される上場株式等の取得日・取得費については、一定のル−ルで機械的に処理されますので、上場株式等の所有状況により、当該上場株式等の税金に有利・不利が生じることになります。みなし取得費の特例(平成13年10月1日の終値×80%)と実際の取得価額を比べて、有利な方(高い価額)が特定口座での取得費となるように、投資家自身が対応していかなければなりません。これらの判断・手続きは,平成14年中にしておかなければならないことです。代表的な有利・不利が生ずる例を紹介します(詳しくは、証券会社でご確認を)。
上場株式等を購入した証券会社で引き続き保管している場合
@平成4年12月31日以前に購入 みなし取得費の特例(平成13年10月1日の終値×80%)の金額で平成13年9月30日に取得したものとなります。
実際の取得価額がみなし取得費の特例(平成13年10月1日の終値×80%)の金額よりも高い場合には、特定口座(準備口座)に入れると取得価額が下がってしまうので(不利になるので)一般口座で保管しておくことが有利となります。
A平成5年1月1日以後に購入 実際の取得価額で、実際の取得日に取得したものとなります。
みなし取得費の特例(平成13年10月1日の終値×80%)の金額が実際の取得価額よりも高い場合には、特定口座から払い出してから売却するか、一般口座で保管しておくことが、みなし取得費の特例を利用することができ、有利となります。
なお、特定口座を含む証券税制については、現在見直しが行われています。したがって、今後は法改正や通達改正が行われることが十分に考えられますので注意が必要です。
(2002.10.9 ビジネスメールUP!
347号より
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