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交際費の損金枠変更
平成14年度税制改正の目玉は「連結納税」「証券税制」だったのですが、"ウチは関係ないよ"という読者の方が多いのではないでしょうか。
ところが、同改正では「交際費」の損金算入枠の改正も施されていました。こればかりはほとんどの企業が関係しているところでしょう。支出した交際費については、原則その全額が「損金不算入」(課税対象)ですが、中小企業には、一定の定額控除額が用意されており、その分は損金に算入できることとされています。
つまり、中小企業の交際費については一定の「損金枠」があるわけです。 実際の申告では、損金枠などというものではなく、「支出交際費−損金算入限度額」を損金不算入額として申告書別表四で加算し、課税対象としますが、ここでは敢えて「損金にできる交際費の金額枠」を計算してみましょう。
<改正前の損金算入枠>
@ 資本金1,000万円以下の法人…
年間の支出交際費が400万円以下の場合は「支出交際費×80%」
年間の支出交際費が400万円以上の場合は「400万円×80%」(320万円)
A 資本金1,000万円超〜5,000万円以下の法人…
年間の支出交際費が300万円以下の場合は「支出交際費×80%」
年間の支出交際費が300万円以上の場合は「300万円×80%」(240万円)
B 資本金5,000万円超の法人…枠なし
これが、平成14年4月1日以後に開始する事業年度分から
<改正後の損金算入枠>
@ 資本金5,000万円以下の法人…
年間の支出交際費が400万円以下の場合は「支出交際費×80%」
年間の支出交際費が400万円以上の場合は「400万円×80%」(320万円)
A 資本金5,000万円超の法人…枠なし
の2種類となりました。
資本金1,000万円超〜5,000万円以下の法人の「損金枠」が広がったわけです。この措置により約130億円の減税(平年度ベース)が実現するそうです。
(2002.9.25 ビジネスメールUP!
341号より
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