減損の兆候とは?

 企業会計審議会から「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」が公表されたことにより、いよいよ平成17年度から固定資産の減損会計が導入されることになる。減損会計については不動産だけでなく、土地についてもその対象となるため、その影響は大きいものとなろう。

  この固定資産の減損会計だが、適用の際には、まず、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)がある場合に、その資産又は資産グループについて減損損失を認識するかどうか判定することになる。したがって、決算ごとに会社の所有するすべての固定資産を対象にしているわけではなく、減損の兆候があるもののみを対象にしているわけだ。

  この減損の兆候については、例示として、
@資産又は資産グループが使用されている営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスになっているか、  あるいは、継続してマイナスとなる見込みであること
A資産又は資産グループが使用されている範囲又は方法について、当該資産又は資産グループの回収可能価額を著しく低下させ る変化が生じたか、あるいは、生ずる見込みであること
B資産又は資産グループが使用されている事業に関連して、経営環境が著しく悪化したか、あるいは、悪化する見込みであること
C資産又は資産グループの市場価格が著しく下落したこと

― が挙げられている。

  しかしながら、具体的な数値基準などは会計基準では明らかにされていない。例えば、Cについていえば、市場価格の著しい下落とは何%なのかといったことだ。このため、減損の兆候の例示については、今後、企業会計基準委員会(ASB)において検討することになっている。

2002.8.21 ビジネスメールUP! 328号より )

 

 
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