経済活性化の切り札−加速償却

 経済活性化論者と財政再建論者の主戦場となる分野が加速償却である。住宅資金贈与の拡大などの税制改正項目であれば、現行制度下での住宅資金の贈与に対する贈与税収入がそれほど期待されていないことから、非課税枠を拡大しても、税収減よりも経済活性化効果が期待され、導入への抵抗が少ない。一方加速償却は、レ−ガン税制の検討などから、経済活性化効果が大きいと期待されるものの、税収への負担も大きいとして財政当局は警戒感を露わにしている。  

 例えば、数少ない黒字法人は、決算を前にして、このまま法人税を支払うべきか、何らかの節税をしようかと考えることになる。加速償却による節税効果が期待できれば、積極的な設備投資が期待できるが、その結果、法人の黒字も縮小し、税収減も半端なものではなくなることだろう。  

  加速償却には、@償却方法としての定率法・級数法等の逓減法の採用A耐用年数の短縮B特別(割増)償却費の計上というような手法があるが、財政当局は、税収への悪影響を抑えるために、業種と対象資産を絞って、適用するにとどめたいとしているのである。

2002.6.12 ビジネスメールUP! 301号より )

 

 
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