変わってきた租税訴訟

 租税訴訟で国に楯突いても仕方がないという風潮が変わりつつあります。平成12年度の統計で納税者の主張が何らかの形で受け入れられたもの(国側の一部敗訴又は全部敗訴)は5.6%(平成11年度は、6.1%)で、訴訟費用も安くないことから、納税者が訴訟により解決を図ることは、十分には行われてきませんでした。しかし、平成13年度から東京地裁を中心に国側敗訴の判決が相次いでいます。平成13年度の統計は、秋に公表されますが、納税者の請求認容率(特に東京地裁での請求認容率)は、アップすることになりそうです。

 平成14年度に入ってこの傾向に拍車がかかってきました。この4月にも、東京地裁で国側敗訴事件が相次いでいます。

 さて、租税訴訟を巡る環境は、司法制度改革・税理士の出廷陳述権により、変革が余儀なくされそうです。すでに、弁護士と税理士は、租税訴訟の場で協働することを目的として、新しい「租税訴訟学会」を設立し、租税訴訟改革を標榜しています。「租税訴訟学会」では、不服申立制度の改革、都市と地方との租税訴訟の格差の問題を提起し、具体的に租税訴訟改革につなげたいとしています。

2002.4.26 ビジネスメールUP! 285号より )

 

 
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