エンロン事件で会計士が破産?

 米国でのエンロン事件により、大手会計事務所であるアンダーセンがエンロンの株主から訴えられるなど、同事件による影響は大きいものとなっている。和解交渉でも数億ドルの和解金が提示されているようである。

  ところで、米国や英国では、直接、監査を行った監査責任者については無限責任を負っているが、一般社員(いわゆるパートナー)については有限責任制度が採用されている。したがって、エンロン事件の場合には、エンロンの監査に関与していない社員の個人財産まで損害賠償責任が及ぶことはないようだ。

  一方、わが国においては、社員全体の無限連帯責任制度が採用されている。このため、訴訟が提起されたようなケースでは、監査法人のみならず、社員全員の個人財産まで損害賠償に供されることになるのでたいへんである。最悪の場合には破産ということにもなりかねないのだ。しかしながら、このような事態にならないためにも、わが国において不正をチェックできる会計基準及び監査基準等の整備が必要となってこよう。

2002.3.29 ビジネスメールUP! 273号より )

 

 
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