2つの財務諸表が1つに統一!

 今日のニュースにもあるように、金融庁は、米国で株式を上場している場合など、米国証券取引委員会SECへ米国会計基準による連結財務諸表を提出している日本企業に対し、日本の有価証券報告書に含まれる連結財務諸表も、そのまま米国会計基準で提出することを容認するよう、内閣府令案を公表している。
 日本国内での米国会計基準による連結財務諸表の提出は、これまで、特例として一部の企業のみに認められていたもの。対象は、日本に連結財務諸表が導入された昭和52年以前から、米国基準で連結財務諸表を作成していたソニー、日立製作所、松下電器、三井物産等の約30社の企業。この特例は、当面の措置として導入されたものだが、その後、特例期限の延長を繰り返し今日に至っていた。

  しかし、この特例は、昭和52年以前から米国基準を採用していた企業にだけ認められるもの。したがって、その後、米国に上場したトヨタ、NTT、オリックスといった企業には適用されていない。米国SECは、日本基準での財務諸表を容認していないため、これらの企業は、SECには米国会計基準、金融庁には日本基準という「二つの財務諸表」の作成が必要であり、企業側にとっては二度の手間を要していたわけだ。

  今回の措置は、このような「二つの財務諸表」問題を解決し、投資家の混乱を回避するとともに、財務諸表作成者の負担軽減を図ろうとするもの。ただし、米国SECに連結財務諸表を提出していることが条件となるので、任意で米国会計基準を採用しているだけでは対象にはならない。

2002.3.8 ビジネスメールUP! 264号より )

 

 
過去のニュース、コラムを検索できます
 Copyright(C) LOTUS21.Co.,Ltd. 2000-2017. All rights reserved.
 全ての記事、画像、コンテンツに係る著作権は株式会社ロータス21に帰属します。無断転載、無断引用を禁じます。
 このホームページに関するご意見、お問合せはinfo@lotus21.co.jp まで