日本にレビューは定着するか?

 最近、東証マザーズやナスダック・ジャパンなどの新興企業向けの市場では、四半期財務諸表の開示が義務付けられ、これに対する公認会計士のレビューが求められている。このレビューとは財務諸表等の保証水準を示すもの。監査ほど厳格な手続きを持って行われていないが、ある一定の保証を公認会計士が行うものである。保証水準の高いものから示すと、@監査、A証明、Bレビュー、C合意された手続き―に区分することができる。

  しかしながら、日本の場合には、監査制度の成熟が十分でなかったのみならず、財務諸表以外の企業情報に関する保証の実務慣行はほとんど存在していない状況である。多くの先進国がレビュー報告としている中間財務情報に対しても、日本の場合は「中間財務諸表監査」となっている。企業会計審議会が1月25日に公表した「監査基準の改訂に関する意見書」でも、レビューについて、「監査基準の対象ではないため、日本公認会計士協会が適切な指針を作成した方がよい」との旨が記載されている。このようにレビューに関する明確な基準はほとんどないのである。

 しかし、今後、四半期財務情報の開示が拡がりつつある状況の中、財務諸表等利用者のことを考えると、一刻も早く、監査、証明、レビュー等の概念を日本でも規定するなどの実務上の配慮が必要になってこよう。

2002.2.4 ビジネスメールUP! 251号より )

 

 
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