カリカタ?カシカタ?

 「簿記」で最初に習うのが、複式簿記の借方・貸方。ヒダリ・ミギと言い換えたりして苦労して覚えた方も少なくないはず。ところが、今の経理実務においては、この貸借記入は必要のないものとなっているのではないでしょうか。

  必要ないというのは言いすぎですが、大量のルーティンな取引をコンピュータを使って仕訳処理するならば、借記・貸記の別はむしろ間違いの元ともなるでしょう。会社によって様々でしょうが、これらの売上はAボタン、こういう場合はBボタン、というのが実態のようです。

  となると、マニュアルのみが重視され、何のためにAボタンを押しているのかは分からなくてもよいわけで、経理のテクニック・ノウハウは不要ということになります。それはそれで効率的なのでしょうが、経理部部長⇒中堅⇒新人へと、代々受け渡してきた経理上のノウハウのようなものは消失してしまうのでしょう。

  自動車を運転する女性の中には、ボンネットを一度も開けたことがなく、どうして自動車が動くのかまったく知らない、というケースが多いそうです。車が動かなくなったら何もできません。経理の効率化にも同じことが言えるでしょうか?

2001.12.21 ビジネスメールUP! 239号より )

 

 
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