ゴーイングコンサーン

  ゴーイングコンサーンとは、財務諸表を作成する上で企業が継続して事業活動を行うことを前提に期間配分等を行うという意味で用いられる言葉。簡単にいえば、企業が未来永劫続くことを前提に財務諸表は作成されているわけだ。しかし、山一證券の破綻など、公認会計士の監査報告書は適正意見だったにもかかわらず、企業が倒産する例が多くなっている状況がある。

 このため、金融庁に設置されている企業会計審議会では、将来的に企業が何らかの要因により破綻することが考えられる場合には、「企業の継続能力に疑いあり!」との一文を明記すべきという方向で検討が行われている。これがゴーイングコンサーン問題といわれるものだ。

 現行の規定では、ゴーイングコンサーンに関する記述に近いものとして"特記事項"がある。これは、財務諸表に注記されている重要な後発事象等について、公認会計士等の監査人が特に必要と認めた場合には、監査報告書に重ねて記載することにより投資家等の注意を促すもの。しかし、顧客である企業の監査報告書に「この企業は倒産の可能性があります」とは、なかなか記載できないという事情もある。このような点を考慮して今回、日本の監査基準にも米国や国際会計基準と同じようにゴーイングコンサーンについての規定が整備されるのである。

2001.11.7 ビジネスメールUP! 221号より )

 

 
過去のニュース、コラムを検索できます
 Copyright(C) LOTUS21.Co.,Ltd. 2000-2017. All rights reserved.
 全ての記事、画像、コンテンツに係る著作権は株式会社ロータス21に帰属します。無断転載、無断引用を禁じます。
 このホームページに関するご意見、お問合せはinfo@lotus21.co.jp まで