企業結合で取得した仕掛研究開発費や社内開発費は資産計上へ
ASBJ、12月20日に研究開発費に関する論点整理を決定予定
企業会計基準委員会(ASBJ)は12月20日の同委員会において、論点整理となる「研究開発費に関する論点の整理」を決定する予定だ。無形資産の会計処理に関して、コンバージェンス上の問題となる社内開発費や企業結合等により取得した仕掛研究開発費については資産計上する方向となっている。
コンバージェンスでの長期プロジェクト
企業会計基準委員会では、現在、無形資産専門委員会において開発費を含めた無形資産の会計処理の取扱いを検討している。無形資産の会計処理については、国際会計基準審議会(IASB)とのコンバーシェンスでの長期プロジェクトとして位置付けられている項目である。具体的には、社内で発生した開発費と企業結合等により取得した仕掛研究開発費の取得時の会計処理が大きな論点となる。
6つの要件を参考に検討
わが国の研究開発費等会計基準では、社内で発生した研究費については、発生時に費用処理することとされている。この点については、国際財務報告基準および米国会計基準と同様の取扱いである。しかし、国際財務報告基準の場合、社内で発生した開発費については、使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性などの6つの要件を満たした場合には資産計上を求めている。
このため、論点整理では、社内開発費の資産計上を検討する際には、国際財務報告基準が定める6つの要件を参考に検討するとしている。
仕掛研究開発費も結合日に資産計上
また、企業結合等により取得した仕掛研究開発費については、わが国の場合、研究開発費と同様、費用処理することとされているが、国際財務報告基準では、研究費または開発費にかかわらず、企業結合等により取得した他の無形資産と同様に結合日の公正価値に基づいて資産として計上することとされている。この点、米国会計基準についても、国際財務報告基準と同様の取扱いに変更される予定となっている。
このため、論点整理では、企業結合等により取得した仕掛研究開発の成果については、資産計上する方法を採用することが考えられるとしている。また、個別に仕掛研究開発の成果を買い入れた場合においても、企業結合による取得の場合との整合性を図る観点から、取得時に資産計上する方法が考えられるとする一方、社内の仕掛研究開発費と同様に、研究活動の成果については、発生時に費用処理し、開発活動の成果のうち、一定の要件を満たすものに限って、資産計上する方法もあるとしている。
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キーワード 「研究開発費 費用処理」⇒26件
(週刊「T&A master」232号(2007.10.29「今週のニュース」より転載)
(分類:会計 2007.12.14 ビジネスメールUP!
1068号より
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