第44回


相続税の物納に必要なものって何?

 相続税は、法人税や所得税とは異なり、相続人のほとんどすべての財産を対象に課税が行われる。10億円を稼いだ人に3億円の所得税を払えというのは簡単だが、10億円の土地を相続した人に3億円の相続税を払えというには、無理がある。

  税金は、現金納付が大原則で、10億円の土地が必ずしも3億円の現金にすぐに換えられるとは限らないからである。相続税法は、このような事情に配慮して延納によっても金銭で納付することが困難とするような理由がある場合に、物納を許可することができるとしている。

  物納のほとんどは、不動産となっている。有価証券も物納財産として認められているが、市場で売却できるものを物納とすることは、あまりない。取引相場のない株式等は、換価・管理に大きな問題があるので、当局は、ほとんど取扱おうとはしない。結局、不動産ということになる。

  不動産の物納に必要なものは何かをお教えしよう。 それは、納税者の人格である。 当局は、権利関係に争いのある不動産を物納財産として認めていない。隣地の地主からは、境界確認の実印をもらわねばならないし、貸地であれば、土地の賃貸借契約も見直される。相隣(境界)関係、借地・借家関係にトラブルのある不動産は物納財産としてNGとなる。

 加えて言うならば、当局から物納財産の収納が許可されるまでにおいても面倒な交渉、すなわち、辛抱が必要となる。

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2002.2.8 ビジネスメールUP! 253号より )

 

 
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