第37回


新総務族が外形標準課税導入を後押し!

 現在、自民党税制調査会では、連日、平成14年度税制改正大綱の作成作りに着手しているが、注目点の一つに外形標準課税の導入がある。外形標準課税は11月下旬に総務省から提案されているもの。昨年の自治省案に一部修正を施しているものである。本日のニュースでもお伝えしている通り、経済界では、昨年度に引き続き人件費を課税ベースにしていることなどを理由に外形標準課税導入に反対している。

 しかし、12月6日の自民党税制調査会の小委員会では、外形標準課税導入への賛成派と反対派が半々の状況だ。賛成派からは、「地方財政の状況が厳しい中、事業税は景気に影響されやすいので外形標準課税で安定的な財源を確保する必要がある」、「昨年の自治省案は人件比率が多かったが、その点は修正されており、雇用への影響が極力回避されている」などの意見がでており、場合によっては導入されてしまいかねない状況だ。導入が決まれば、大企業、中小企業にかかわらず赤字法人にも課税されてしまうため、企業にとっては厳しい税制改正となる。

 当初は、外形標準課税の平成14年度導入は無理だと思われていたが、ここに来て、総務省側の議員が数の上で導入に反対する経済界側の議員に拮抗する勢いなのである。この背景には、省庁再編により郵政事業庁(旧郵政省)が総務省の傘下に入ったということがある。最終的には、政治的判断となり、来週初めにもその動向が明らかになるが、総務省側の本当の狙いは平成15年度以降の導入。現在の景気の状況を考えると、現時点においても平成14年度の導入は無理であろうと思われるが、将来の導入に向けて足跡を残そうと、導入を強く迫っているのである。

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2001.12.7 ビジネスメールUP! 233号より )

 

 
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