第15回


「贈与の意志」がない贈与に贈与税はかかるか?

  誰かにモノをタダであげれば「贈与税」がかかるというのは、ご存知であろう(ただし、年間110万円までなら課税なし)。したがって、贈与税の課税を避けたいのであれば、たとえ親子間でも、安易にモノをあげたり貰ったりするのは慎しむべきである。なかには、本人は「あげた」などという認識がないにもかかわらず、贈与税がかかってくることだってあるのだ。

 例えば「自家用車」。自分自身は仕事が忙しく、めったに乗ることがないため、購入資金だけ出して、名義を息子にしたとしよう。この場合、おそらく2月頃になると、税務署から息子さんに対して「贈与税の申告をするように」との通知が来るはずである。

 もっとも、こうしたケースでは、親も「贈与した」という認識は全くないだろうし、息子にしても、納税資金などないのが普通。「贈与税を払え」と言われても、戸惑うところであろう。

 しかし、心配は無用。税務署は、財産の名義変更や他人名義での財産の取得が「深い考えもなく軽率にされたもの」であり、また、それが財産の取得者等の年齢や社会的地位などによって確認できるときは、その財産の名義を実際の所有者の名義に直せば、「贈与」がなかったものとみてくれる。つまり、このケースでは、名義を父に直せば事は済むわけだ。

 ただし、贈与税の申告をしてしまってから名義を元に戻しても手遅れなので注意したい。

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2001.6.15 ビジネスメールUP! 165号より )

 

 
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