最高税率のウソ
よく「高額所得者になると国に半分以上税金を納めなくてはならない」といったことを言う人がいらっしゃいますが、これは必ずしも正確ではありません。
所得税の最高税率は「課税される所得金額」が1800万円超で37%ですが、この37%は正確には「1800万円超部分」に掛けられる税率です。その下の階層の所得には10%、20%、30%といった税率が掛けられますから、この辺は単純計算の法人税とは違ってきます。例えば、課税所得2000万円の所得税額の計算は、2000万円×37%=740万円、ではなく、491万円です。
491万円の出し方は、0〜330万円部分には「10%」を、330〜900万円部分には「20%」を、900〜1800万円部分には「30%」を、1800万円〜2,000万円部分には「37%」を、それぞれ乗じる積み上げ計算です。実務的にはこんな面倒臭いことはせず、2000万円×37%−249万円(このときの控除額(定額です))=491万円と弾き出します。
課税所得は様々な控除を経たあとの金額ですから、国に半分持っていかれるというのはますます正確ではありません。
同じような計算方法を採るものに相続税があります。遺産総額から各種控除を引いた価額が5億円としますと該当する税率は60%です。この場合も手元に残るのは2億円ではなく、2億7520万円となる計算です。それでもやっぱり相続税は高いですネ
(2001.11.9 ビジネスメールUP!
222号より
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