企業会計基準委員会の自己株式等専門委員会が４月30日に開催された。２月21日に「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」等を公表しているが、その後の追加論点について検討するもの。

　 例えば、自己株式の無償取得の会計処理については、�@取得日の時価で利益を認識し、同額を自己株式として資本の部から控除する、�A自己株式を時価で資本の部から控除し、同額を資本剰余金とする、�B自己株式の数の増加を行うだけで、会計処理を行わない―とする３案が提示されている。

　 �Bについては、自己株式等会計基準では、株主への資本の払い戻しが生じていることを資本からの控除の論拠にしていることから、無償取得の場合、取得に伴い現金支出額はなく、株主への払戻しは生じていないとしている。また、自己株式を無償で取得しても会社財産には変更はなく、株主間のプレミアムの移転が生じているだけであり、一般に株主間のプレミアムの移転によって会計処理は発生しないというもの。�@案及び�A案を採用した場合、新株の有利発行の際に、時価との差額を費用処理しない会計処理と整合しないとしている。この場合には仕訳は生じないことになる。ただし、委員会では、特に結論には至らず、次回以降に持ち越されている。

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