連結計算書類の導入や会社機関の改正などを含む商法改正法案が3月18日、国会に提出された(※下記リンク参照)。施行日は公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日とされている。
証券取引法適用会社に連結計算書類を導入
今回の商法改正は、一連の改正の総仕上げとなっている。まずは連結計算書類の導入だ。商法特例法上の大会社については、毎決算期に連結計算書類を作成し、会計監査人による監査を受けることになる。連結計算書類の作成方法は法務省令で定めるものとし、連結計算書類の作成すべき大会社の範囲については、当分の間、証券取引法第24条第1項により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出すべきものに限られる。
株主総会の特別決議の定足数を3分の1に緩和
会社機関関係では、株主総会の特別決議の定足数が緩和される。定款の定めがあれば、特別決議の定足数が3分の1(現行は3分の2)まで引き下げることが可能になる。最近では、外国人株主の増加や定款の変更をする企業が多いため、企業にとっては有利な改正といえる。また、株主提案権の行使期限を株主総会の6週間前から8週間前までに繰り上げられる。
その他では、株主総会招集手続の簡素化として、@すべての株主の同意がある場合には株主総会の招集手続きが不要、A株式譲渡制限会社については、定款により株主総会の招集通知を発送する期間を株主総会の1週間前までに短縮する、B議決権を行使するすべての株主が同意した場合は、書面又は電磁的方法により株主総会決議をすることが可能となる。
委員会等設置会社のみが利益処分案を取締役会へ権限委譲が可能に
新しい会社機関のあり方として、重要財産等委員会の設置や委員会等設置会社の特例が新設されている。重要財産等委員会は商法特例法上の大会社で取締役の数が10人以上のものについては、取締役会決議により置くことができる。社外取締役を1人以上義務付ける要件となるが、重要財産の処分等(商法260条2項)を取締役会に代わって決議することができる。
また、委員会等設置会社は、大会社及び大会社以外で会計監査人による監査を受けている会社は、定款により監査委員会、指名委員会、報酬委員会の三種類の委員会及び執行役をセットで設けることができる新しい機関制度を採用することができる。これを採用した会社については、監査役制度は置けないことになる。この委員会等設置会社に限っては、利益処分案等を取締役会で決めることができることにされたが、取締役の任期は1年とされて株主等の監視が強化されることになる。
http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan12.html
本日のニュース
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